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北朝鮮では深刻な自動車部品不足に陥っているという
平壌市内で自動車部品の窃盗が横行 中国から部品入らず闇市場で高値取引
 北朝鮮国内で使われる自動車のほとんどは中国製といわれるが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、中国との貿易は2年以上、停止している状態のため、北朝鮮では深刻な自動車部品不足に陥っている。その結果、国内では自動車部品窃盗団が暗躍しており、大きな問題になっている。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じている。 平壌市内では昼間でも自動車の運転手が食事をして戻ってくると、車が消えていることがよくあるという。その間、わずかに30分ほどで、ようやく探してみつけると、車の外枠だけしか残っていないこともあるようだ。 自動車部品の闇市場ではエンジン部分は車1台が買えるほどの値段で取引されており、他の主要部品も高値で取引されている。 新しい部品が手に入らないことが分かっているため、ブローカーが値を吊り上げても、買い手はすぐに見つかるという。つねに車の部品は貴重で、いつでも売ってお金にすることができるという状況にある。 路上などに車を停めていると盗まれるのは分かっているので、運転手や車の所有者は車内に寝泊まりして守ることもある。朝鮮労働党や政府の幹部の専用車の場合、車庫に駐車したうえに、運転手が番をしているのだが、それでもわずかなスキに盗まれることもあるという。 市内の情報筋はRFAに対して「新型コロナウイルスの大流行で、食べる物も着る物も足りないので、市内は泥棒だらけだ。それにもかかわらず、朝鮮労働党は人民の苦しみを解決する気がなく、市民を集めては、『主体(チュチェ)思想で武装して経済難を克服せよ』と発破をかけるだけだ。まるで解決になっていない」と不満を口にしている。

芸能

『鎌倉殿の13人』で狡猾に立ち回る比企能員(写真提供/NHK)
怪優・佐藤二朗 堤幸彦監督が見出した“見たことない存在感”「個性なのか演技なのか…」
 一癖も二癖もある役を演じてきた怪優が今、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で中心人物を担っている。佐藤二朗(53)はいかにして監督やプロデューサーからのオファーを勝ち取ってきたのだろうか──。【全4回の第2回。第1回から読む】強烈な破壊力 遅咲きの佐藤がテレビ進出するきっかけとなったのは、ドラマ『ブラック・ジャック2』(2000年・TBS系)への出演だった。『自転車キンクリーツカンパニー』の公演で舞台に立つ佐藤をたまたま見た堤幸彦監督がオファーした。ワンシーンのみの出演だったが、佐藤にとっては大きな転機となった。演じたのは、首の後ろなどを落ち着きなく掻きながら患者にがんを宣告する「医師A」だった。堤監督が語る。「舞台の彼の芝居には、まるで見たことがない存在感があった。普通の芝居の枠にとらわれない、個性なのか演技なのかはっきりしない芝居が強烈な破壊力を持っていた。それをそのままテレビの枠のなかでやってもらいたいと思ったんです。“全身がかゆい医者”という設定にしたのは、医者らしい芝居をしてほしくなかったから。がん宣告をする状況で深刻な表情、あるいはポーカーフェイスで伝えるような医者役にありがちな芝居をしてもしょうがない。そこで佐藤二朗の落ち着きのない個性に痒みという理由を与え、それを彼なりに解釈して絶妙な間の取り方やセリフの崩し方をやってほしかった。 狙い通り、ほんの短いシーンでしたが観た人の反応は大きかった。通常ならサッと流れていくシーンに強烈な個性を持たせることができたと思います」 役者としての佐藤の魅力を堤監督はこう評する。「名優の条件の一つだと思いますが、誰とも重ならないところ。佐藤二朗の真似は誰にもできないし、佐藤二朗は誰の真似をしようとも思わない。彼の個性を見せつけられたら、監督なりプロデューサーは“使いたい”となります。それほど業界にインパクトを与え続けてきたと思います」 同様に佐藤の舞台に魅了され、繰り返しタッグを組んできたのが福田雄一監督である。出会いは2007年、福田監督が演出家のマギー氏と共同で制作した舞台『U-1グランプリ』の公演だった。「当時、僕はまだ『佐藤二朗』を知らなかったのですが、コントが抜群に面白かった。ひとりでボケツッコミをやって、その塩梅が絶妙なんです。一目惚れして、仕事をお願いするようになりました」(福田監督)『銀魂シリーズ』『今日から俺は!!』『新解釈・三國志』など福田監督が手がける数多の作品にキャスティングされてきた佐藤だが、なかでもドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』(2011年・テレビ東京系)の「仏」役で、知名度を一気に上げた。 ヨシヒコ(山田孝之)一行に魔王退治の使命を与え、突然雲の上に現われてはあれこれ指令を出すのだが、この仏がなんともいい加減でうさん臭い。誰のかわからないモノマネで登場し、セリフを噛んだり、忘れたり……。福田監督が振り返る。「仏は僕が持っている二朗さんのイメージで、二朗さんに当てて書きました。長いセリフの一番最後に『このセリフを適宜噛んだり忘れたりする』と書いておく。そのタイミングは二朗さんを信頼して預けていました。 二朗さんは自分がやったことをすぐに忘れるんです(笑)。上積みがなくて、違う方向からすごい弾が飛んでくる。通常は段取りとテストをしてから本番ですが、二朗さんの場合は段取りの段階からカメラを回します。二度と同じことができないから、撮影しておくんです。アドリブというより、瞬時の計算なんでしょうね」(福田監督)(第3回につづく)※週刊ポスト2022年8月5・12日号

スポーツ

古豪・銚子商の現在は?(イメージ)
【高校野球名門校の現在地】千葉県立銚子商、「黒潮打線」復活近し
 春8回、夏12回の甲子園出場を誇る千葉県立銚子商業高校野球部は、打線の上位から下位までヒットが途切れない「黒潮打線」と評されてきたが、近年は甲子園から遠ざかっている。『甲子園と令和の怪物』(小学館新書)の著書があるノンフィクションライターの柳川悠二氏が、古豪である銚子商の現在地を追った。【千葉 銚子商】最後の甲子園出場/2005年 最高成績/優勝(1974年) 高校野球には千葉の時代があった。1974年夏に、篠塚和典(元巨人)や土屋正勝(元中日ほか)らが核となった県立銚子商の黒潮打線が爆発。現在まで県勢最多の29勝を挙げている。翌1975年はやはり公立の習志野が深紅の大優勝旗を千葉に持ち帰った。 だが、ライバルが2019年春のセンバツで準優勝したように強豪であり続けてきたのに対し、銚商は2005年夏が最後の甲子園。その後は夏の千葉大会で4年連続の初戦敗退を喫した時期もあった。 野球と銚商をこよなく愛す港町のファンは、古豪の復活を待ち望む。だが、往時を知らない現代の球児は、「古豪」という昔は強くとも今は弱いという印象を抱かせる言葉に嫌悪感すら抱いていた。 伝統は受け継ぐものではなく、自らが勝ち取って新たに生み出していくもの──そう考えたナインがこの春の千葉大会で快進撃をみせ、準優勝に輝いた。OBでもある監督の澤田洋一はこうコメントした。「17年も甲子園から遠ざかり、『無理だろう』という声も届いている。銚子商は常に甲子園が目標。負けん気の強い選手たちの奮起を期待したい」 保護者会から提供されたというiPadを駆使し、ナインらの投球動作やバッティングフォームを動画に収め、練習後にはプロ野球選手の動画と見比べて研鑽してきた。 その結果、抜け目のない打線は黒潮打線を彷彿とさせる。捲土重来の日は近いはずだ。※週刊ポスト2022年8月5・12日号

グラビア

大胆水着を披露
“美少女巨乳界のホープ”篠見星奈が大胆水着で見せた大人な日常
 グラビアアイドルの篠見星奈(22才)が、自身2枚目となるDVD『聖なる季節』(ラインコミュニケーションズ)をリリースした。 身長165cm、B95・W65・H92でHカップという、至高のボディを持つ篠見。作中では“女子高生の彼女”の設定で、セーラー服はもちろん、テニスウェア、水色の三角ビキニなど青春を感じさせる爽やかな衣装をさまざまに着こなしている。セーラー服を脱ぐ場面などもあり。豊満なバストを引き立てる、純白のランジェリー姿には、思わず心拍数が上がる。 また、赤の過激なランジェリーや、紫のセクシーな三角ビキニといったセクシー路線にも挑戦。しっとりとしたシチュエーションで、こちらを誘惑する。彼女との大人な時間も存分に楽しめる内容となっている。 北海道出身の篠見は、2018年に芸能界デビュー。グラビアアイドルとしては、2022年4月にファーストDVDをリリースし、またたく間に注目を集めた。昨年行われた「第4回ミス週刊実話WJガールオーディション」では、特別賞も受賞。「美少女巨乳界のニューホープ」といわれる逸材だ。 彼女の物語は始まったばかり。この先、どんな功績をあげるのか期待したい。

ビジネス

昔ながらの商店街で長く歴史を刻んできた重みと温かさが溢れる店
大阪・天満の老舗酒屋の店主は“へんこ”に見えるが実は気さくで「誰でもおいでやす」
 大阪・梅田の東側、JR天満駅から徒歩5分、たこ焼き屋や串揚げ屋など昔ながらの商店が建ち並ぶアーケード街「おいでやす通り」にある『堀内酒店』。「一見へんこ(大阪弁で頑固)やけど気さくで温かい人やで」と、常連客に慕われる3代目店主の堀内成佳(しげよし)さん(80才)が営む老舗だ。「親父さん(店主)は実はなかなかの知識人で、字も上手いんやで」(70代)と話す客に向かって、「そんなん言うたらあかん」と店主は素っ気ない。「親父さんは、誰でも平等に接してくれるところがいいんですよ。常連さんの輪ができていて入りにくい“立ち呑み”もあるじゃないですか。ここは誰でも気兼ねなく入れる店」(80代)「親父さんに惹かれてくるお客さんが多いと思いますよ。酔っぱらって来るお客さんには、はい帰りぃ~ってビシッと言うし、優しさと厳しさを持ち合わせている人ですね」(40代、医療系)「商売の醍醐味は、人間対人間でしょ。要するに会話の妙やね」と、あくまで店主は淡々としているが、静かに店の歴史を語ってくれた。「明治初年に祖父が商売を始めて、大阪へ移ってきてここに店構えたんや。親父が跡を継いで、統制経済やった頃に、味噌や醤油、漬物なんか売っとった。その後、酒の小売り免許取って酒屋をやるようになってん。わしは、親父が亡くなって、30才のときに店を継いだんや。 親の代からずっと“立ち呑み”はやっとったよ。昔は、ラワン材を使った1枚板のテーブルで、煙草の焦げ跡を鉋(かんな)で削ってた」(店主)。「この界隈には、“立ち呑み”をやってる酒屋が何軒かあるけど、ここが一番古いんちゃうかな。ここへ来て、その後、もう一軒はしごすることもあるで。この町に住んだら“飲んべえ”になること間違いなしやな(笑い)。 お客さんも親父さん(店主)も物静かで居心地がええねん。仕事終わりにまっすぐ家帰って嫁はんの顔見るんやなしに、ここへ来て自分だけの時間を持つ。この時間が私には必要不可欠なんや」(自営業、70代) 店内には、流麗な筆文字で「店内はお静かに願います」などと書かれた張り紙がそこかしこにあり、トイレの壁には短歌が詠まれている。「急ぐとも心静かに真ん中に」「外に散らすな白玉の露」「吉野の桜も散らば汚し」「わしの遊び心なんや、わかるかいな」と、店主はにやり。 蛍光灯がやわらかく照らすコンクリートの床を常連客たちは踏みしめ、皆静かに語らう。夕暮れ時の店内にはじっくり煮込んだおでんのいい香りがふわりと漂う。 夫婦で時々顔を出すという常連客が、熱々の大根やちくわをつまみに酒を傾ける。「おでんはな、こっちでは関東煮(かんとだき)と呼ぶねんけど、味がよう染みててここのは旨いでぇ。長いこと天満の赤提灯で食べとったやつより断然旨いから、かれこれ20年食べ続けとる」(70代)「つまみは日替わりでだいたい毎日2種類あんねん。店主の奥さんが作って持ってきてくれるんですよ。今日の推しは、とん平焼きやね」(70代) 豚肉とキャベツを炒めて、卵で巻いてある大阪名物のひとつ、とん平焼きを旨そうに食べ始めた常連客に、「はいこれなぁ」と絶妙な間合いで店主がそっとソースの瓶を差し出す。「かれこれ30年通っとるけど、客も店主もみんな似たもん同士やな。誰でも遠慮なく話せるっちゅうわけ。ここでなんでもない会話しながら飲んでいれば、昨日も今日も明日も幸せやねぇ」(80代)「わしらは“毎日組み”。この店で顔見るのが生存確認の場やね(笑い)」(70代)「ほんま、ほかに行くとこないし、妻もはよ行っといでぇって言うしなぁ。毎日4時にここへ来るのが日課やねん。常連さんと競馬の話しながらボーっと飲んでるだけやけど、それが1日の締めくくりや。ここ来ないと誰とも話さへんからボケ防止やなぁ」(70代) 次から次へとやってくる馴染みの客に店主が、奥の冷蔵庫からひょいと手渡すのは、決まって『焼酎ハイボール』の〈ドライ〉。「最初の一杯は必ずこの酒。いろんなもん頼んだら親父さん大変やろ? 昔っから親父さんが決めたルールやから、それに従うのみ。味はドライって決まっとる。キリっと辛口がたまらんなぁ」(70代)2022年6月10日取材■堀内酒店【住所】大阪府大阪市北区浪花町4-18【電話番号】06-6371-3605【営業時間】16時30分~22時、火曜定休焼酎ハイボール260円、ビール大びん440円、とん平焼き280円、そらまめ天ぷら250円、おでん80円~※営業時間等は店舗にお問い合わせください。撮影時はマスク、仕切りを外しています。

ライフ

ダイナミックに泳ぐダイオウイカ
オープン1周年「ずかんミュージアム銀座」がバージョンアップ パンダや深海のダイオウイカ、マッコウクジラなどが新たな仲間に
 東京・銀座に図鑑の世界に入り込める体験型デジタルミュージアム「ずかんミュージアム銀座(ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO)」がオープンして1年が経った。開業1周年を記念してジャイアントパンダや、ライバル関係にあることで知られるダイオウイカとマッコウクジラなど新たな仲間が加わるなどバージョンアップし「第二章/新たな生き物に出会う旅」がスタートした。「ZUKAN MUSEUM GINZA」は、累計発行部数が約1300万部を超える「小学館の図鑑 NEO」シリーズから大多数がピックアップされた生き物たちと、彼らが生息する様子を間近で見て、観察し、記録しながら楽しむ体験型施設。施設の中では24時間という時間の経過や天候の変動など、地球上における環境の変化が表現されているので、空間や時間の経過と共に”地球の自然”を体感することができる。 今回のバージョンアップを前に、公式HP内の特設ページにて、これまで「ZUKAN MUSEUM GINZA」では出会えなかった16種の候補の生き物から1種に投票し”出合いたい生き物No.1″を決める「ずかんミュージアム銀座で見たい生き物リクエストキャンペーン」を実施した。リクエスト投票の結果、第1位にジャイアントパンダ、第2位にリュウグウノツカイ、第3位にマッコウクジラとなった。このキャンペーンに参加していた新たな仲間たちも、同館に加わっている。それらの見どころについて、ZUKAN MUSEUM GINZA クリエイティブディレクターの北井貴之氏は、「家族の様子やライバル関係など、より一段と”地球”の様子を描いた」と述べる。「人気動物No.1 のジャイアントパンダは、タイミングがよければ笹を食べる様子も見られるかもしれません。パンダ以外にも、親子やオスメスで出現する生き物が仲間に加わる予定ですので、その様子も新たに見ていただきたいポイントです! 新たにできたディープシーゾーンでは、海中探査機に乗ったような感覚でご体験ください」(北井氏) 北井氏が海中探査機に乗ったような感覚で体験できると明かす「ディープシーゾーン」とは、登場する生き物の生息地域によって分かれるミュージアムの5つのゾーンのうちのひとつ。それぞれ、ジャイアントパンダが新たに加わった森林に住む生き物が現れる「ディープフォレストゾーン」、ゲンジボタルが飛ぶ川をゆく「ウォーターフォールゾーン」、カワマスやナイルワニなど世界の淡水に暮らす生き物たちがいる「アンダーウォーターゾーン」、草原や乾燥地帯にすむ生き物が現れる「ワイルドフィールドゾーン」、そして「アントビューゾーン」に代わり新登場するのが、水深200メートル以深の深海の生き物たちに会える「ディープシーゾーン」だ。「ディープシーゾーン」では、謎が多い巨大イカとして知られるダイオウイカが見られる。監修をつとめた国立科学博物館名誉研究員の窪寺恒己博士は、その真に迫るダイオウイカの姿を「本物そのまま」と言う。「優雅にかつダイナミックに泳ぐダイオウイカ、もちろんこれは実際に撮影されたものではありません。コンピューターグラフィックの専門家がモデルを造り、それが生きて動きまわるようにプログラムを組み上げたものです。この製作過程をダイオウイカの専門家の立場からお手伝いしました。私が実際にこの目で見た生きているダイオウイカの姿や調査・研究で明らかにされた生態を忠実に再現するように、監修しました。見どころは、あの長い二本の触腕を一本の軸のようにして泳ぐ姿や外套膜に水を吸い込んで漏斗から水を吐く仕組みなど、本物そのままです」「ZUKAN MUSEUM GINZA」ならではのリアルな映像は、ダイオウイカのファンたちからも注目の的だ。水族館で働くために勉強中だという深海生物ファンの大学生が、「水深600~1000メートルにすむダイオウイカを間近で見られるなんて最高ですよ」と言う。「小笠原諸島で撮影された泳ぐダイオウイカの映像をテレビで見たときからずっと、深海の生き物に夢中です。その放送から半年ぐらい後に、ダイオウイカと、その天敵であるマッコウクジラの闘いが特集されて放送されたんですが、放送後は学校で、どっちが本当は強いのかなど友達と盛りあがりましたね」 深海を泳ぐダイオウイカを撮影した映像が2013年1月にNHKスペシャルで放送されたことをきっかけに、今も謎が多い深海への関心が高まりブームとなった。以後、博物館が深海をテーマに特別展を開催すれば多くの人が来場し、深海生物コーナーを新設する水族館も相次いだ。そのなかでも人気が高いもののひとつが「ダイオウイカvsマッコウクジラ」というライバル関係だ。「マッコウクジラはダイオウイカの天敵なのでダイオウイカの勝率0%と言われているのですが、誰も実際に見て確認できていません。マッコウクジラに吸盤の跡がついていたりと強く反撃するらしいことが分かっているので、本当はダイオウイカが勝つこともあるんじゃないかと思っています」(ダイオウイカファンの大学生) マッコウクジラは哺乳類だが、1時間かけて深海に潜ることができ、2000メートルの深さまで潜水することもあるため「ZUKAN MUSEUM GINZA」では「ディープシーゾーン」の生き物として登場する。下あごにある、するどい円すい形の歯でエサをとらえ、深海にすむダイオウイカなどを食べるマッコウクジラは、地球上で最大の肉食動物で圧倒的に強いと言われているが、ダイオウイカは手強いらしく、捕食するときに抵抗されたのか、丸い吸ばんのあとが、体表についていることがある。そのため、深海ファンの間でダイオウイカとマッコウクジラは、ライバル関係として知られているのだ。 大注目の深海の生き物だけでなく、ここまで挙げた以外にも新しい仲間が加わり、記録した生き物たちを確認できるゴールゾーンもよりフォトジャニックなスペースとなった。銀座の真ん中にある、図鑑の世界に入り込み、図鑑だけでは伝えきれない”自然”を体感し学ぶことができる「ZUKAN MUSEUM GINZA」では、唯一無二の深海と新たな生き物体験を堪能できる。【ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO】場所:東京都中央区銀座5丁目2.1 東急プラザ銀座 6Fアクセス:東京メトロ 銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅C2・C3出口徒歩1分東京メトロ・日比谷線・千代田線・都営三田線 日比谷駅A1出口徒歩2分JR山手線・京浜東北線 有楽町駅銀座口徒歩4分営業時間:平日 11:00~19:00/土・日・祝 10:00~19:00休館日:東急プラザ銀座の休館日に準ずる(※1/1と年1回の不定期休)公式HP:https://zukan-museum.com/

コラム

【日本株週間見通し】今週は様子見か 米ISM景気指数やOPECプラスに注目
【日本株週間見通し】今週は様子見か 米ISM景気指数やOPECプラスに注目
 投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月25日~7月29日の動きを振り返りつつ、8月1日~8月5日の相場見通しを解説する。 * * * 先週の日経平均は週間で113.02円安(-0.40%)と4週ぶりに反落。先々週回復したばかりの52週移動平均線を僅かに下回ったものの、26週線や200日線上は維持した。 週初25日の日経平均は215.41円安と8日ぶりに反落。連日の上昇の反動が意識されるなか、米7月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が約2年ぶりに拡大・縮小の境界値となる50を割り込んだことで、景気後退懸念が重荷になった。翌26日は44.04円安と小幅続落。米連銀各行が公表する景気指標が軒並み予想を下回ったことで景気後退懸念が強まったほか、米小売のウォルマートが業績予想の下方修正を発表したことが投資家心理を悪化させた。 一方、27日は60.54円高と反発。国際通貨基金(IMF)が成長率見通しを引き下げたことに加え、7月消費者信頼感指数や6月新築住宅販売件数が軒並み予想を下回ったものの、アルファベットとマイクロソフトの決算が想定程に悪くなかったことで、安心感から買い戻しが優勢となった。28日は99.73円と続伸。連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.75ptの利上げが決定。あく抜け感が台頭したほか、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が今後の利上げペースについて慎重な姿勢を示したため、買い戻しが強まった。ただ、日経平均は心理的な節目の28000円回復直後に失速し、小幅高にとどまった。 週末29日は13.84円安と反落。米4-6月期国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となったことで景気後退懸念が強まった一方、FRBの大幅利上げを回避できるとの期待から前日の米株式市場は続伸。FOMC直後に上昇しても翌日以降に下落することの多かった米国株が続伸したことで、投資家心理が上向いた。しかし、日経平均はこの日も寄り付き直後に28000円まで上昇した後は失速し、28000円をすぐに割り込む展開に。決算を発表したアップルとアマゾン・ドット・コムが揃って良好な内容から時間外取引で株価が大幅に上昇していたものの、1ドル=132円台まで急速に進行した円高・ドル安が重荷となった。 今週の東京株式市場はもみ合いか。週末に発表予定の米金融政策の動向を占う7月雇用統計を前に全体は様子見となりそうだ。米国では通称「GAFAM」と称される大型テック企業の決算を終え、主要企業の決算発表が一巡してきた一方、国内ではまだ最中であり、決算を受けた個別株物色が中心となろう。 他方、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する7月製造業景気指数を筆頭に、中国7月財新製造業PMIや米7月ISM非製造業景気指数など重要な景気指標が発表される。米ISM製造業景気指数は前回6月分が予想を大幅に下回って大きく悪化した。その後に発表されている米企業センチメントを図る指標も軒並み予想を下振れており、前月並みが予想されている7月分も更に悪化すると、投資家心理を悪化させそうだ。中国財新PMIも、「ゼロコロナ」政策による行動制限が続けていられるなか、前回6月分は改善したものの、今回の7月分は回復が鈍い可能性がある。エネルギー価格の高騰を背景に景気後退懸念が強まっている欧州を含め、世界経済の中心である米・中・欧の3地域の景気低迷は相場全体の重荷になりそうだ。 週半ば以降に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国で構成されるOPECプラス会合と英国金融政策委員会にも注目。バイデン米大統領は先日、サウジアラビアのムハンマド皇太子などと会談し、原油増産を要請したが、その後明確な増産メッセージは伝えられていない。OPECプラスの結果が現行ペース維持もしくは小幅な増産ペース加速にとどまれば、原油先物価格が再び上昇する可能性がある。また、インフレが加速している英国では大幅な利上げの可能性が高まっており、利上げ幅によっては再びグローバルな金融引き締め懸念が台頭する可能性があろう。 7月FOMC後、FRBのパウエル議長は次回9月会合の利上げ幅は「経済データ次第」とした。議長は会見で米経済における消費や雇用の減速を認識したこともあり、市場は景気後退に伴う利上げペース減速への期待を高めている。しかし、FRBは依然としてインフレ抑制を最優先事項として掲げている。その物価指標にまだ明確な減速の兆しは見られていない。インフレピークアウトを主張する強気派が挙げている資源価格の下落も、足元では一服。むしろ、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト、9月物)原油先物価格は7月14日に一時1バレル=88ドルまで下落した後は、足元で再び100ドルを窺う水準まで戻している。そのほか、欧州ではロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプラインの稼働問題を背景にガス価格が急騰、米国でも猛暑に伴う冷房需要を背景にガス価格は大幅に上昇している。 米雇用統計での平均賃金の伸びも6月分まで前年比+5%以上と高い水準が続いている。今週末に発表される雇用統計でも平均賃金にピークアウトの傾向が確認されなければ、翌週8月10日に控える米7月消費者物価指数(CPI)の発表を前に再び警戒感が高まるだろう。 力強い動きを見せてきた米主要株価3指数も既に100日移動平均線近辺まで戻してきた。今年前半のリバウンド局面ではいずれもこの100日線が戻り一服の目処になってきたことで、そろそろ買い戻しも一巡してくる頃合いと考えられる。FOMC結果公表があった当日には買い戻しだけでなく、軽い新規買いも入っていたとの声も聞かれたが、当日の株式取引量は過去3回のFOMC当日の取引量と比較して25~35%程少なかった。決算発表が本格化する中でのFOMCとしてはかなり少ないといえる。株式市場は上に行きたがっている様子が窺えるものの、そのエネルギーは余力に乏しそうだ。 日経平均も大きくリバウンドしてきた一方、節目の28000円回復には至っておらず、一段高には材料不足、エネルギー不足のようだ。これまで欧米株対比での日本株の底堅さに繋がってきた為替の円安・ドル高もピーク時に付けた1ドル=139円台から大きく円高・ドル安に傾いてきており、支援要因が無くなってきている。景気後退懸念が深まるなか、グローバルな景気敏感株とも称される日本株にとっては逆風が強くなっているともいえ、日経平均の28000円定着には時間がかかりそうだ。 なお、今週は8月1日に7月新車販売台数、中国7月財新PMI、米7月ISM製造業景気指数、3日に米6月製造業受注、米7月ISM非製造業景気指数、OPECプラス会合、4日に英国金融政策委員会、米6月貿易収支、5日に6月毎月勤労統計調査、米7月雇用統計、米6月消費者信用残高などが発表予定。